築30年の旧上伏古保育園舎を、一部解体のうえ、増築・再整備した集会所。

耐震計画上、既存部と増築部は一体化しつつ、将来の既存部のみの建て替えを考慮し、

増築部分だけでも耐震性能を保持できるよう計画した。

具体的には、既存部と増築部の境界の柱梁の接合部は縁を切り、

柱梁同士は構造用合板や全ネジビスで接合することで

地震時応力を伝達しつつ、既存部の解体を容易に施工できるように配慮している。

大集会室は約13x11mの無柱空間であり、既存・増築部が異なる2つの軸を有し、

採光・換気の確保から複雑な屋根形状となるため、

大集会室に象徴性をもつ大黒柱を設け、放射状に方杖を設けることで

棟梁断面の縮小を図った。

既存部は一部に合板耐力壁・ホールダウン金物等の補強を行いつつ、

玄関の開放性を残すため、短辺方向耐震性能を増築部に委ねている。

プロジェクト統括　小澤丈生、安田幸一

基本設計・実施設計監修　北海道大学小澤丈生研究室・東京工業大学安田幸一研究室

実施設計　アトリエブンク