洞爺湖 鶴雅リゾート 洸の謌 ラウンジ棟・洸の路
洞爺湖畔壮瞥温泉に建つ鶴雅リゾートホテル「洸の謌」。
弊社ではラウンジ棟と鉄骨造片持ち梁構造の跳ね出し階段の構造設計を担当した。
ラウンジ棟
木造平屋建てのホテルのラウンジ棟で、短辺約7.3m長辺約14.6mの平面を持つ。
建物外周部に水盤を設けられており、床レベルの外周壁を無くすことで外観の浮遊感を出しつつ内部からの視界を妨げない。
建物外周部の耐力壁を無くすため、短辺方向を埋込柱脚による片持ち柱構造、
長辺方向を柱脚は埋込み、柱頭は隣接柱と梁と合板壁で固定したラーメン構造により耐震性能をもたせた。
屋根は柱間7.28mを合掌登り梁と頂部近くに設けたフラットバーによるタイ・ビーム架構とした。
登梁は下弦材となるフラットバーと束材となるタテ・ヨコ材50角木材により
ハイブリッドトラス構造とし、積雪・風荷重・地震荷重時の耐荷重・剛性を向上している。
さらに下弦材レベルでの隣接架構を同じつなぎ材50角を設けて下弦材の座屈補剛を設けることで、
繊細でパースペクティブな立方格子上の意匠表現を兼ねている。
50角の小断面部材を多用するが、登り梁との接合はベースプレートを埋木で隠し、
50角材どうしはビスによる目立たない接合として意匠を妨げないよう工夫した。
屋根は構造用合板により水平構面剛性・耐力を確保しつつ、棟部トップライトを設けるため合板を無くした。
母屋とラウンジ棟の中間には鉄骨造渡り廊下棟を設け、
別棟扱いとすることで耐火要件を不要としている。
洸の路
階段手摺と段床をそれぞれボックス梁形状とすることで7mの跳ね出し構造とした。
転倒防止用に700mm厚のべた基礎を設け、築山を貫通する羽根付鋼管杭地業とした。
築山上に鋼の箱が突き刺さるように見えるフォルムはラウンジ妻面から延びる道の延長上にあり、
特徴的なランドマークを形成している。