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当麻町郷土資料館『ここから』
RC造2階建ての資料館の耐震診断および耐震補強設計。
大正15年(1926年)竣工、昭和25年大改造の記録が残る。
当初は当麻町役場庁舎として使用され、改修工事前までは旧屯田兵屋を収容する他、屯田時代並びに
開拓関係の産業・生活・教育などの貴重な資料の展示室など開拓資料館として機能していた。
今回の改修工事後、1階はカフェ併設の町民の交流スペース、2階は郷土資料館として町民が気軽に立ち寄ることができる場所に生まれ変わった。
既存建物はRC造柱梁にレンガ積み壁であり、断面は柱で340x340、梁280x640と小さく、耐震性能は極めて小さい。耐震性能指標Is値は0.30程度。
大正時代の意匠を残す開口および外観を守るため、建物外周架構の内側に沿わせるように、新設RC基礎梁・柱・梁・壁を設けて外周架構とあと施工アンカーで一体化し、耐震性能を向上した。
屋根は木造トラス架構であり、水平構面補強としてステンレスブレース補強および接合部の脱落防止金物を実施した。
耐震補強RC部材を打ち放し仕上げ、既存RC躯体を白ペンキ塗りとして明確化、当麻町産木材を使用した家具(山脇推測)とシンプルで力強い空間でありながら、町民が集まりやすく暖かな空間になった。
鉄骨ブレースなどの特殊な耐震補強工法を使用せず、地元職人による型枠・鉄筋・コンクリート工事のみによる、既存躯体との接合を丁寧な作業により実施されたローテク・ハイタッチな耐震補強工事を実現した。
所在地
北海道上川郡当麻町
主要用途
交流スペース・資料館
意匠設計
柴滝建築設計事務所
構造設計
山脇克彦建築構造設計 山脇克彦
施工会社
盛永・西森・石川特定建設工事JV
規模
地上2階 延床面積 282.969㎡
構造種別
RC造耐震壁付きラーメン構造、RC造耐震補強
竣工
1926年(当初) 2021年(改修)
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